ジャズギターのバッキングパターン



練習の目的をはっきりさせる

ジャズギターのバッキングパターン練習といっても、事前にどのような楽器がいて、どのような演奏がしたいのか、そして何の為のバッキング練習かを想定する必要があります。

例えばベーシストがいない管楽器やギターとのデュオでのバッキングか、それともピアノがいないバンドのバッキングなのか練習の目的をはっきりさせる事で効果的な練習が出来ると思います。

具体的にはコードのベース音を弾く場合のギターのバッキングにはベーシストがいない事が想定されますし、3度の音と7度だけの最小限のバッキングであればピアニストがいる事が想定され、それ以上のテンションが入るコードのバッキングはピアニストがいない事が想定されます。

つまりギタリストのバッキングとはベーシストがいるかどうか、そしてピアニストがいるかどうかで演奏も変わるという事です。練習をする時にはどのような楽器がバンドにいてという想定が必要という事になります。

そういった想定がされた上でバッキングの練習をする事は大変効果的な練習が出来ると思います。

ジャズギター初心者の方にお勧めなのが、ピアニストがいる想定の3度の音と7度を使用したバッキングになります。

ジャムセッションではピアニストがいる場合は、通常ギターはバッキング演奏はしない事が多い(個人的経験では)ですが、それはさておき、シンプルなバッキングの基礎練習は初心者にとってはよい練習となります。

次にピアニストがいない想定でのバッキングの練習。そして最後は一番難しいデュオ演奏の際のバッキングや、ベースラインとコードバッキングを同時に演奏する方法です。

練習のアイデア

まず各コードの3度の音と7度の最小限のシンプルなボイシングで、ある一定のリズムパターンで練習し、その後それらのパターンの組み合わせを変更したり、そこに音を足して発展させていく方法が考えられます。

最初はリズムを考慮せずに白玉で練習し、ポジションを覚えたら次にいろいろなリズムパターンで演奏します。リズムパターンは1小節で考えるのではなく、2小節ひとまとめで考えます。

一見リズムパターンを作るのは大変そうですがリズム自体のバリエーションはそう多くないと思いますので覚えるのは容易かと思います。なぜならリズムとしてスウィング感が出せる良いポイントというのはそんなに多くないからです。

ただし組み合わせ次第ではかなり多くのバリエーションが出来上がるでしょう。1小節と1小節、前後のリズムを逆にしたり、単純に音を伸ばすか切るかだけでも印象は違って聴こえます。ギターという楽器ではポジションの選択でも音は違ってくるので、かなり多くの組み合わせのパターンが考えられる可能性があります。

しかしながら例えばⅡ-Ⅴ-Ⅰという進行があったとして、Ⅱ-Ⅴの時に使用出来た良いリズムパターンが、Ⅴ-Ⅰでは同じリズムパターンでもよく聴こえない(ハマらない)場合や、逆のⅤ-Ⅰでは良かったのにⅡ-Ⅴの時には良くない場合もあるでしょう。

曲想によって、アドリブ奏者の演奏によっても伴奏は変わってくると思いますが、それに対応できるだけの引き出しを沢山作っておく事が重要です。参考になりえるよいお手本のアルバムを出来るだけ多く探す事は、ジャズギターのバッキングパターンを考えるという意味では大変有益なことだと思います。

ピアノのいないジャズギターのバッキングパターンを考える時にはテーマの時にはどういう演奏がされるのか、そしてアドリブ演奏の伴奏はどのような演奏がされるのか、参考になるアルバムを探してよい伴奏と思える曲をそっくりそのままマネをするというのがバッキング上達の最短の道だと考えます。

ジャズギターのバッキング使用の弦ですが、6弦ルートのコードの場合の多くは3弦4弦を使用し、必要に応じて2弦の音を付け足す形が一番演奏しやすいので基本的には3弦4弦を使用します。

5弦ルートの場合も同様に3弦4弦が使用されますが、例えばⅡ-Ⅴという進行があった場合に、5弦ルートのコードの場合は3弦で7度⇒3度という動きになり、6弦ルートのコードでは3弦で3度⇒7度という動きになります。
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具体的なバッキングのトレーニング方法

トレーニング方法としてはまず1曲ジャズスタンダード曲を選択し、最初は3度の音と7度の最小限のシンプルなボイシングで、以下の”3度7度を使用したバッキングパターン一覧”からひとつのリズムパターンだけを使用してスタンダード曲で練習します。

完全にそのリズムパターンが体に入ったら、別のパターンの素材を使用してそのパターンだけを練習します。例えばそうして2つのバッキングパターンを習得した後に、交互にそれらのバッキングパターンを出す練習をします。

具体的には練習を4小節単位で考えるとして、(パターンは2小節ですが)最初の2小節は白玉で伸ばすだけ、次の2小節はパターン1を演奏。次の4小節はその逆。その次の4小節は白玉とパターン2で4小節といった具合です。

それらの素材を状況に応じていつでも出せる状態になるというのか最終目標です。

3度7度を使用したバッキングパターン一覧
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