ジャズソロギターアルバム紹介




今回はジャズのソロギターアルバムの紹介となります。名盤と呼ばれる有名なアルバムや、中にはあまり有名でない物もありたとえ名盤と呼ばれなくともどれも素晴らしい演奏内容と言えるようなアルバムを掲載しました。

1人でジャズギターを演奏するのは高い技術が必要ですが、ジャズギタリストによって極められたソロ演奏技術は特に同じギタリストにとっては惹きつけられるものがあります。

もしソロの演奏技術を得たとしたら。もちろん1人で演奏していても楽しいと思いますし、ソロ演奏だけでなくデュオ~トリオなどの少人数編成では相手の楽器を選ばず多くのアイデアが沸くと思います。

恐らくこの記事を読んで頂いている方はギタリストだと思いますが、特にギターは音が細く弱いので少人数あるいはソロ演奏に向いていると思いますし、他の楽器には出せない音色がありギターならではの演奏方法もあるので、ジャズのソロギターアルバムは名盤だけでなく、どんなソロギターアルバムでもギタリストである皆さんにとっては興味深いものだと思います。

今回のお勧めジャズソロギターアルバム紹介の中から気に入ったものが見つかれば幸いです。
※紹介のアルバムはAmazonストリーミングも含みます。

Joe Pass「Virtuoso」


Joe Passの「Virtuoso」はジャズのソロギターアルバムでは名盤中の名盤で収録曲も、Here’s That Rainy Day、How High The Moon、All the Things You Are、Stella By Starlightその他、ジャズスタンダード曲が沢山入っていてジャズギター初心者も聴きやすいと思います。

「Virtuoso」ではフィンガーピッキングでのテクニカルなソロ演奏と、ベースラインとコンピングを同時に演奏する技術などを使用したジャズギター演奏が聴け、ルバートでの演奏と4ビートのスウィングのリズムを軽快にギター1本でジャズスタンダード曲を歌い上げています。

もしJoe Passのギタースタイルが好きな方で彼の演奏を学びたいという方は教則本を出していますので興味のある方はどうぞ。

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Martin Taylor「In Concert」


Martin Taylorは1956年イギリス生まれのスコットランド在住のギタリストです。Martin Taylorのソロギターアルバムはいくつかあるのですが、今回はジャズスタンダード曲という観点でライブアルバム「Solo」を選びました。

演奏曲は「I Got Rhythm」、「Stella By Starlight」などが収録されています。もしフィンガリングを確認したい方がいましたらDVDのMartin Taylor in Concertも発売されているので映像で確認してみて下さい。

Martin Taylorのギター演奏はJoe Passに負けず劣らずのテクニカルな演奏ですが、高い技術力と同時に多彩な音色が意識された演奏が耳に残ります。そういう意味ではギターならではのギタリストらしい音楽と言えるかもしれません。

 

Tuck Andress「Reckless Precision」


1990年発売のTuck Andress初のソロ・アルバム「Reckless Precision」(邦題『虹の彼方に』)ですが、このアルバムでは彼の抜群のテクニカルな演奏を聴くことが出来ます。このアルバムも名盤と呼べるようなジャズのソロギターでは有名(だと思います)なアルバムです。

よくありがちなギターソロ演奏の音の薄さは微塵も感じさせずこのアルバムではベースライン、パーカッション、メロディ、コードが同時に演奏されるようなギター1本でいろいろな音を表現します。

私にとってTuck andressの演奏で興味深い事は、ギターの音を聴いて思わずニヤッとしてしまうような魅力的な音色です。Gibson L-5と恐らくラウンドワウンド弦を使用していると思われますが、指と弦の生々しさが感じられ非常に魅力的な音色です。

今は「Stella By Starlight」を聴いてこの記事を書いていますが、その他にも「Over The Rainbow」、「Body And Soul」、「Manha De Carnaval」など収録されているので、Tuck andressの「Reckless Precision」はお勧め出来るジャズソロギターアルバムです。

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Ted Greene「Solo Guitar」


Ted Greeneの文字通り、「Solo Guitar」のアルバム。Ted Greeneはアメリカのジャズギタリストで、フェンダーテレキャスターを使用しフィンガーピッキングタイルで演奏します。

「Just Friends」では本当に1人で演奏しているのかという感じですが、ベースラインを演奏しながら同時にテーマメロディをコードで軽快に演奏しています。こういう演奏もギターならではですね。その他「Summertime」など収録されています。

他に紹介したアルバムと比べて全体的には少し物足りない感じはしますが高い技術の演奏という事には間違いありません。時折ハープのような音で演奏したりベースとコードの絡みなど聴きどころのあるアルバムです。

 

Jonathan kreisberg「One」


Jonathan kreisbergのギター演奏は音色もフレーズも現代のジャズギタリストという言葉がぴったりですが、「One」でも同様にJonathan kreisbergによる“今“のジャズギターを聴くことが出来ます。

My Favorite Things、I Thought About You、Tenderlyでは音がユラユラと揺れるような不思議な感覚がします。新しいジャズギターサウンドが好きな方はお勧めです。

 

Romero Lubambo「Setembro」


ブラジルRio de Janeiro出身のギタリスト、Romero Lubamboの「Setembro」の紹介です。ジャズスタンダードをボサノバギタースタイルで演奏していますが、Romero Lubambo独自のスタイルによる演奏です。

収録曲は「All The Things You Are」、「Darn That Dream」、「The Days of Wine and Roses」その他ありますが、ナイロンから弾き出される音がなんともいえない魅力で、併せて彼の独特のリズムを聴いているだけで心地よくなります。

 

Peter Bernstein「Solo Guitar Live at Smalls」


Peter Bernsteinの「Solo Guitar Live at Smalls」ですが、「Django」「I Love You」「Yesterdays」「Gone With The Wind」などジャズスタンダード曲満載のアルバムでジャズギター初心者の方にもお勧めです。

Peter Bernsteinは伝統的なスタイルを含めて新しいスタイルで演奏していますが、ソロ演奏ではスウィングのリズムでベースラインやコンピングなどはほとんど弾かれないので彼独自のスタイルと言えるかもしれません。

このアルバムではルバートでの演奏が多いように思えますが、どれも彼らしい素晴らしい演奏で個人的にこのアルバムは大のお気に入りです。



Sid Jacobs「Three in One」


ここからは番外編という事で、以降アルバム紹介はソロギターアルバムではありません。Sid Jacobsの「Three in One」はベースとドラムのギタートリオですが、「Summertime」のみソロギターで演奏されているので紹介しました。

Sid Jacobsは他のソロ演奏者と同じくフィンガーピッキングスタイルですが、決してバリバリと高い技術で弾くような演奏ではありません。しかしながら素晴らしいセンスの持ち主なので機会があれば是非チェックしてみて下さい。

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Pasquale Grasso「Solo Ballads Vol. 1」


Pasquale Grassoの「Solo Ballads Vol. 1」はアルバムではなくAmazonストリーミングとなりますので番外編と致しました。

Pasquale Grassoは(1988年生まれ)イタリア出身のニューヨークに拠点を置くジャズギタリストです。2015年、NYにてウェスモンゴメリーインターナショナルジャズギターコンペティションで優勝した実力者。

「Solo Ballads Vol. 1」の「Body and Soul」彼のスタイルで単音とコードが見事に絡み合って推進力が落ちる事なく曲が進む感じです。まるでピアノ演奏をギターでそのまま演奏したような非常に技術の高い演奏です。

動画では指が長くフィンガリングもかなり器用な指の動きをして、右手もピックを持っているようで同時にフィンガーピッキングスタイルも併用していています。

もしかしたらソロギターの可能性を広げたといえるかもしれません。彼のウェブサイトで聴ける「Time on My Hands」のソロギターも最高です。是非聴いてみて下さい。



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