フルアコのおすすめ




ジャズギター初心者にとってフルアコの選択は難しく同時に最も興味深く楽しみな事だと思います。私もそうでしたがもしこの記事を読んでいるジャズギター初心者の方がソリッドギターしか所有していないとしたら、フルアコを購入してジャズを演奏しているのを想像しただけで楽しみに感じると思います。

今回はフルアコの勧めギターから入り、次にフルアコのギターのメーカー、種類、木材の素材など、フルアコの詳細に関して書いてありますので、ジャズギター初心者の方の中で、そもそもフルアコに関して知りたいという方はそちらも合わせてご覧下さい。

フルアコのおすすめ

フルアコを選択する条件として、例えばギターの値段、見た目とギターの音、持った感じのネックとボディの弾きやすさなどがあると思いますがまずは値段に関して、どの程度予算が使用出来るかという事もありますが、フルアコの一般的値段として初心者向けの安いギターであれば6~7万円、中級者向けのフルアコであれば30万円以上になると思います。

ジャズギター初心者の方に個人的におすすめは中級者向けのギターを中古で買う事ですが、新品がよいという方がなかにもいらっしゃると思いますので、そういう方には例えばIbanezのフルアコをおすすめします。

Ibanezのフルアコは多数シリーズがあり、なかでもArtcoreシリーズは安くておすすめ出来るギターです。もちろん値段なりのクオリティーのギターなのでそこまで期待は出来ませんが。しかし昔と違って最近は安くてもそれなりのギターが販売されています。

[Ibanez Artcoreシリーズ]

Ibanez/アイバニーズ フル・ホロウ・エレキギター AG75-BS バッグ付き価格¥58,320

フルアコの見た目に関してはナチュラル系カラーとサンバースト系の2つに好みが分かれると思いますが、種類はサンバースト系カラーの方が多く販売されているようです。値段はナチュラル系の方が金額が高くなる傾向があります。その他の要素、例えばギターのヘッドやボディの形もメーカーによって若干違ってきますので好みが分かれると思います。

特にフルアコのギターでは持った感じのネックとボディは重要なポイントとして考えられます。住んでいる場所によって楽器屋さんで試し弾きが出来ない状況もあると思いますが、可能であれば弾いて確認したいものです。

体の大きくない日本人にとっては、ボディサイズが小さいIbanez GB-10やGibson ES-175など比較的人気があると思います。

以上の要素でフルアコのギターを選択されると思いますが、なかなか理想のギターが見つかるという事は難しく、いずれかは妥協しなければなりません。

フルアコのおすすめはいくつかありますが、例えば新品で低予算希望であればIbanezのArtcore新品で小さいボディサイズのギターが希望であればIbanez ジョージベンソンモデルGB10系となります。

Ibanez GB-10は弾いた時の生音は小さめで、アンプを通した音は少し固めの感じがします。ボディが小さいので16インチ以上のサイズのフルアコの演奏時に腕や肩に感じるようなストレスはありません。今までソリッドギターを弾いてきたという方には違和感なく演奏出来ると思います。いずれにしましてもIbanezのフルアコは価格的にも初心者の方におすすめで最初に購入するにはよい選択だと思います。

[Ibanez GB10SE]

Ibanez GB10SE BS フルアコギター (アイバニーズ)価格¥158,840

[Ibanez LGB30 VYS ジョージ・ベンソン シグネチャーモデル (アイバニーズ) ]

Ibanez LGB30 VYS ジョージ・ベンソン シグネチャーモデル (アイバニーズ)価格¥136,070

その他、おすすめなのは渋谷の楽器店、「ウォーキン」がプロデュースするフルアコ「アーチトップ・トリビュート」シリーズです。こちらはあまり知られていないフルアコのメーカーで、GibsonやIbanezなどの有名メーカーがよいという場合には好みが分かれるかと思いますが、ジャズギター初心者の方にはおすすめ出来るフルアコです。

私は実際お店に行って「アーチトップ・トリビュート」シリーズのフルアコを弾いてみましたが、この値段から考えると素晴らしいクオリティーでした。機会があれば私も購入する可能性があります。

シリーズの中で特におすすめは「Archtop Tribute AT105M」で、一般的な3 1/3インチ(約85mm)の胴厚を持つAT105をベースとして、やや薄胴の2 1/2インチ(約64mm)の胴厚で仕上げられた「ミッドデプス」モデル「AT105M」です。興味のある方はウォーキンのウェブサイトをご覧下さい。

[Archtop Tribute AT105M (Indian Rosewood Ver.)Late ’50s Burstケース別¥162,800(税込)]

ゴダンはカナダのギター会社ですがYoutubeでゴダンのサウンドを聴いてみましたが安価な値段でこのサウンドは魅力的です。

[Godin ゴダン 5th Avenue CW]

Godin ゴダン 5th Avenue CW エレキギター (Kingpin II, Cognac Burst) エレキギター エレクトリックギター (並行輸入)価格¥139,016

Epiphone Joe Pass Emperor IIのYoutube音源は沢山アップされていました。この価格のフルアコとは思えないくらいの良い音です。もちろん確認すべきその他の要素はいろいろありますが機会があれば楽器屋に出向いて確認してみたいものです。

[Epiphone Joe Pass Emperor II (VS) ]

Epiphone Joe Pass Emperor II (VS)価格¥75,000

以上、フルアコのおすすめでした。これから新しくフルアコのメーカーもしくは有名ギターメーカーから新しいフルアコのモデルが発売されるかもしれませんが、2021年4月時点でのフルアコのおすすめでした。特にジャズギター初心者の方々の参考になれば幸いです。



フルアコの種類と素材

ギターの種類にはフルアコ(フルアコースティックギター)、セミアコ(セミアコースティックギター)、ソリッドの3タイプがあり、ジャズギターでは基本フルアコが使われる事が多いですが、セミアコやソリッドギターも使用される場合があります。

セミアコと違い、フルアコはセンターブロックを持たない構造で箱鳴りがしますのでコードも空気感が感じられる豊かなサウンドがします。

一番有名なフルアコメーカーはGibsonで、Gibsonの代表的なギターはL-5 CES、定番のES-175などがあります。L-5はウェス・モンゴメリーに愛用された事であまりにも有名ですが、Gibson L-5は17インチのボディサイズで我々日本人にとっては少々大きいサイズとなります。

フルアコの一般的素材としてはボディトップがスプルースボディ、サイド&バック、ネックがメイプル、指板にエボニーなどが使用されます。ボディトップとバックは単板削り出しのものがありますが、箱鳴りがよいので音量を上げすぎたり歪ませたりするとハウリングが発生しやすくなります。

ボディ材として合板(べニア)が使用される場合がありますが、ハウリングが少なく取り扱いがよいです。世の中的には単板削り出しが良いという風潮ですが、個人的にサウンドは合板の方が好みです。

フルアコの大きさ

そしてボディの大きさは、音と弾きやすさも影響します。ボディの大きさといっても横の大きさと深さ(ボディ幅)があり、ボディの深さ(幅)があればあるほど自分から遠くなり、ピッキングが難しくなります。

フルアコのサイズは16インチというのが一つの区切りという感じがします。先ほど紹介しましたIbanezのジョージベンソンモデルGB10は私も所有していますが、16インチ未満のレスポールを一回り大きくした感じで大変弾きやすいです。

GibsonのES-175は16インチで標準的なボディの大きさ、L-5は17インチ幅で少し大きめといった感じです。

その他Gibson Super 400の18インチなど、17インチ以上のモデルもありますが、特に体の小さい日本人にとってはあまり現実的ではないと思います。

フルアコのピックアップと使用される弦

ピックアップに関して、フルアコはフロントピックアップのみ、もしくはフロントとリアの2基搭載となります。搭載されるのはハムバッカーもしくはシングルコイルタイプのP-90タイプがあります。

2基搭載モデルでリアピックアップのカリッとしたサウンドはブルースなどに向いた音色ですが、ジャズプレイヤーはメロウなサウンドのフロントのみのモデルが選ばれる事が多いと思います。しかしフロントピックアップのみの搭載モデルの販売は少ないです。

ピックアップの搭載方法ですが、D’AngelicoやIbanez GB10で使用されるボディの振動を重視したフローティング(浮いた)ピックアップというのもあります。これはピックアップをボディから浮かし、ボディの振動を妨げないようにする設計になっています。

フルアコで使用される弦に関して、多くはフラット・ワウンド弦が使用される事が多いです。

フラットワウンド弦の特徴としては甘い音色で誰もが想像するいかにもジャズギターの音という音色がします。

ギターは管楽器と比べると音が細いこともあり、太い弦のほうがしっかりとした音になるという理由から1弦が0.11より太い弦が好まれる傾向にあります。

フラット・ワウンド弦は一定で良い音を出す高級オーディオといった感じで色でいえば一色といった感じがあり好みは分かれますが、中にはフィンガリングノイズが出ますが、フィンガリングあるいはピッキングによる音色変化が楽しめるのでラウンドワウンドが使用される場合もあります。


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