ジャズギター教則本のおすすめ




ジャズギター教本は沢山ありますが、対象としている読者は初心者なのか中級者なのかという事や、どのようなコンセプトで書かれているのかを確認して購入出来ればよいと思いますが、状況により教材の内容が確認できない事もあるかと思います。

ジャズギター学習者の方が求めている内容の教材を購入できるように、お勧め出来る教則本を内容説明付きで紹介します。ジャズギターを学ぶ皆さんにとって参考になれば幸いです。
「THE REAL JAZZ GUITAR」 谷口 廣志 (著) 出版社: ケイ・エム・ピー; 菊倍版 (2015/4/22)

この教材はまさにジャズギターを勉強する為のジャズギター初心者の為の本です。ジャズギター初心者がまず手に取ってもらいたい教則本で、基礎から書かれています。

パートⅠではトニック、ドミナント、サブドミナントなどコード分類、そしてDrop2~Drop2&4コードに関して、2-5-1などのあらゆるコード進行に関して、代理コードの説明、ディミニッシュコード、オーギュメントコードやテンションコードが書かれ初心者にとっては十分すぎる内容で全て勉強すべき内容です。

パートⅠ後半ではダイアトニックスケールの各スケールなどやマイナースケール、コンディミ、オルタードスケールに関しても詳細が書かれています。本教則本の前半では理論的な理解という趣旨で説明がされておりますのでジャズギター初心者の方がこの本でしっかりと知識をつければかなり勉強になると思います。

そして理論だけではなく、パートⅡでは主にどのようにトレーニングを行うかが書かれています。特にアルペジオ~スケールのトレーニングの部分は勉強になると思いますし、後半のいろいろなコード進行でのアドリブ演奏のトレーニングの箇所はジャズギター初心者の方にはお勧めです。その他、コード一覧表や、クリシェもかなり有効に活用出来る教材だと思います。

「THE REAL JAZZ GUITAR」はジャズギターを始めたが何から勉強すればよいか分からない方にとっては整理されて書かれているので、ジャズギターを学ぶにはよい参考書だと思います。教材内容ですが、箇所によっては譜面で書かれていますが、基本的にはTab譜がありますのでご安心下さい。

「THE REAL JAZZ GUITAR」
■PART 1
●CHAPTER 1: CHORD PROGRESSION
●CHAPTER 2: SUBSTITUTE CHORD
●CHAPTER 3: DIMINISHED CHORD
●CHAPTER 4: CHORD PATTERN
●CHAPTER 5: CADENCE
●CHAPTER 6: TENSION
●CHAPTER 7: MODULATION
●CHAPTER 8: MINOR
●CHAPTER 9: PEDAL POINT
●CHAPTER 10: BLUES
●CHAPTER 11: AVAILABLE NOTE SCALES

■PART 2
●CHAPTER 1: SCALE TRAINING
●CHAPTER 2: BROKEN CHORD & ARPEGGIO
●CHAPTER 3: PHRASE TRAINING
●CHAPTER 4: CHORD TRAINING
●CHAPTER 5: HARMONIZED CHROMATIC CLICHE

■PART 3 (Selections from Great Guitarists’ Solos)
●WES MONTGOMERY
CANADIAN SUNSET アーティスト: WES MONTGOMERY(作曲: Eddie Heywood)
●JOE PASS
DJANGO アーティスト: JOE PASS(作曲: John Lewis)
●GEORGE BENSON
BILLIE’S BOUNCE アーティスト: GEORGE BENSON(作曲: Charlie Parker)
●JIM HALL
STELLA BY STARLIGHT アーティスト: JIM HALL(作曲: Victor Young)
●BARNEY KESSEL
A FOGGY DAY アーティスト: BARNEY KESSEL(作曲: George Gershwin)
●KENNY BURRELL
YOU’D BE SO NICE TO COME HOME TO アーティスト: KENNY BURRELL(作曲: Cole Porter)
●PAT MARTINO
33I REMEMBER CLIFFORD アーティスト: PAT MARTINO(作曲: Benny Golson)


『コンテンポラリージャズ・ギター | インプロビゼーション&アナリゼ』潮先郁男 著 出版社: 中央アート (2006/7/19)

こちらはジャズギターの基礎内容も書かれていますが、対象はジャズギターを始めたばかりの初心者向けといった感じではなく、ある程度ジャズギターを勉強されてきた中級者向けの教材となります。※教材の説明は全て譜面で書かれていますので譜面が読めないと厳しいです。(Tab譜はありません)

CHAPTER 1では各スケール、3種類のマイナースケール、オルタードスケール、リディアンドミナント7thスケール、ハーモニックマイナースケール、ディミニッシュ、ホールトーンスケールなど説明がされています。

この本のお勧め箇所は、クロマチックアプローチノートによるフレーズと、ディレイドリゾルブです。ジャズで頻繁に使用されるクロマチックアプローチと遅れて解決されるパターンが書かれています。

コード進行ではドミナントモーションを始めさまざまなコード進行に関して説明がされています。
そしてまたジャズギターの初心者向けではありませんが、アッパーストラクチャートライアドのフレーズの箇所もこのサウンドが好きな方にはお勧め出来る箇所です。

あまり頻繁には使用はされないと思いますがジャズギターの基礎練習を続けてきて少し変わった雰囲気を出したい方にはアッパーストラクチャートライアド含め、パーフェクト4thインターバルフレーズはお勧め致します。

CHAPTER 2ではコードに関して、転回型、テンションコード、様々なコード進行が書かれています。こちらは理論解説というより、例えばⅡm7-Ⅴ7-Ⅰであればどのようなボイシングが考えられるかパターンが多く掲載されていますので参考になると思います。

そして後半のリズム楽器としてのジャズギター演奏が説明されています。具体的には4つ刻みのバッキングに関してと、ハーモナイズドベースラインに関してが書かれています。

『コンテンポラリージャズ・ギター | インプロビゼーション&アナリゼ』
CHAPTER1 アド・リブ・アナリゼ
1.アベイラブル・ノート・スケール
2.ダイアトニック・フレーズ
3.オルタード・ドミナント・セプンス・スケール・フレーズ
4.リディアン・ドミナント・セプンス・スケール・フレーズ
5.ハーモニック・マイナー・スケール・バーフェクト・フィフス・ビロウ・フレーズ
6.ホール・トーン・スケールフレーズ
7.ディニッシュト・スケール・フレーズ①
8.ディニッシュト・スケール・フレーズ②
9.プルー・ノート・スケール・フレーズ
10.クロマチック・アプローチ・ノートによるフレーズコード
11.コード・プログレッションとインプロビゼーションにリハモニゼーションによるフレーズ
12.アッパー・ストラクチャー・トライアドによるフレーズ
13.パフェクト・フォース・インターバル・フレーズ
14.べンタトニック・スケール・フレーズ

CHAPTER 2ハーモニー・アナリゼ
1.ペーシック・コードとテンション
2.ペーシック・コード・バターンと「スタンダード」プログレッション
3.ダイアトニック・アプローチ
4.ディミッシュト・アプローチ
5.クロマチック・アプローチ
6.ドミナント・アプローチ
7.ノン・ダイアトニックなチェンジ・コードによるリハモニゼーション
8.テンション・リゾルプによるカウンター・ライン
9プログレッション・オプ・マイナー・サードによるリハモニゼーション
10.コンビネーション・オプ・デイミニッシュトによるリハモニゼーション
11 アッパー・ストラクチャー・トライアドによるリハモニゼーション
12.フォース・インターバル・ビルドによるリハモニゼーション
13.基本的なフォー・ビート・リズム・プレイイング

CHAPTER 3 インプロビゼーションの実際
Satin Doll
1.バーニー・ケッセルによるインプロビゼーション
2.オリジナル・チューン
3.バーニー・ケッセルによるリハモニゼーション
4.アナリゼ

Wave
1.バーニー・ケッセルによるインプロビゼーション
2.オリジナル・チューン
3.バーニー・ケッセルによるリハモニゼーション
4.アナリゼ

I Can’t Get Started
1.バーニー・ケッセルによるインプロビゼーション
2.オリジナル・チューン
3.バーニー・ケッセルによるリハモニゼーション
4.アナリゼ

Watch What Happens
1.ジョー・パスによるインプロビゼーション
2.オリジナル・チューン
3.ジョー・パスによるリハモニゼーション
4.アナリゼ

I’ve Grown Accustomed To Her Face
1.ジョー・パスによるインプロビゼーション
2.オリジナル・チューン
3.ジョー・パスによるリハモニゼーション
4.アナリゼ

コード・フォーム・チャート


「ザ・ジャズ・セオリー」 Mark Levine (著), 愛川 篤人 (翻訳)  出版社: エー・ティ・エヌ (2005/1/14)

すこし値段は高いですが、ジャズギター初心者の方にお勧め出来る教材です。ジャズギターに関しての基礎的な事は書かれていませんが、個人的には一番好きな教材です。

なぜならこの教材から著者のジャズの経験を学ぶ事が出来るからです。この教材にはインターバル、スケール、コード、ハーモニーなどのジャズの理論以外にも楽器の練習の事や、ジャズスタンダード曲のソング・フォームや、レパートリーの事に関して詳細が書かれておりますので非常にお勧め出来る教材です。

こちらの教則本はギター用に書かれたものではないのでTab譜はなく譜面しかありません。しかしたとえ譜面が読めないジャズギター初心者の方でもジャズを学ぶ上で非常に有益な情報が掲載されていますので機会があれば参考にして下さい。

「ザ・ジャズ・セオリー」

Part 1 理論 :コードとスケール
Chapter 1 基礎理論
インターヴァル
インターヴァル一覧表
インターヴァルの転回
トライアド

Chapter 2 メジャー・スケールとIl-V-I進行
メジャー・スケールのモード
Ⅱ-Ⅴ進行
ヴォイス・リーディング
サイクル・オブ5th
その他の一般的なコード進行
ロクリアン・モードとハーフ・ディミニッシュ・コード
モーダル・ジャズ

Chapter 3 コードおよびスケールの理論
なぜスケールなのか?
メジャー・スケール・ハーモニー
メロディック・マイナースケール・ハーモニー
ディミニシュ・スケール・ハーモニー
ホールトーン・スケール・ハーモニー

Chapter 4 スケールの練習法
Chapter 5 スラッシュ・コード
スラッシュ、コードとは何か?

Part 2 メジャー・スケールとⅡ-Ⅴ-Ⅰ進行
Chapter 6 スケールから音楽へ
スケールから音楽へ
シークエンス
連続したスケール・エクササイズ
シークエンスの名人たち
トライアドに基づいたインプロヴィゼイション
7thコードのシークエンス
コモン・トーン(共通音)
チェンジの引き延ばし

Chapter 7 ビバップ・スケール
ビバップ・ドミナント・スケール
ビバップ・ドリアン・スケール
ビバップ・メジャー・スケール
ビバップ・メロディック・マイナー・スケール
ビバップ・スケール・リック
ピアノおよびアレンジングにおける利用

Chapter 8 アウトサイドの演奏
シークエンス
半音ずらした演奏
トライトーンずらした演奏
アウトサイドへ出る手段としてのスケールの演奏
ビアノでの演奏について
クロマディックをスケール
勇気をもって、思い切ってアウトサイドで演奏

Chapter 9 ペンタトニック・スケール
ペンタトニック・スケ・一ル
ペンタトニック・スケールのモードおよびマイナー・ペンタトニック・スケール
Ⅱ-Ⅴ-Ⅰコード上のⅠ、Ⅳ、Ⅴペンタトニック・スケール
ペンタトニック・スケールを用いたGiant Stepsの演奏
ペンタトニック・スケールとアヴォイド・ノート
メジャー7thコードに対するⅡペンタトニック・スケール
メロディック・マイナー・コードに対するIVペンタトニック・スケール.
陰旋法およびその他の5音スケール
マイナー・ペンタトニックとブルース・スケール
ペンタトニック・スケールの練習法

Chapter 10 プルース
ブルース・チェンジ
特殊なブルース
ブルース・スケール
マイナー・ペンタトニック・スケール
ペンタトニック、マイナー・ペンタトニック、およびブルース・スケールの関係

Chapter 11 リズム・チェンジ

Chapter 12 練習、練習、そして練習
練習そのものを音楽にする
すべてをすべてのキーで練習する
自分の弱点を練習する
スピードは正確さから生まれる
触覚的および視覚的な側面
リックとバターン
トランスクライブ
フレイ・アロング・レコーディング
実際のレコードを用いたフレイ・アロング
記録をつける
リラックス
足によるタップ
練習環境の改善
フォーム

Part 3 リハーモナイゼーション

Chapter 13 基本的なリハーモナイゼーション
Ⅱ-ⅤによるⅤのリハーモナイゼーション
トライトーン・サブスティテューション
マイナー・コードのリハーモナイゼション
Vコードのリバモナイゼーション
ソロを演奏しながら行うリハーモナイゼーション
I Hear A Rhapsodyのリハーモナイゼーション

Chapter 14 高度なリハーモナイゼーション
コントラリー・モーンヨン
バラレリズム
スラッシュ・コード
上行および下行するべース・ライン
任意のルート上に構成するコード
susおよびsus b9コード
ディセプテぃヴ・ケーデンス(偽終止)
クロマティック・アプローチ
Ⅴコードによるアンティシペーション
ディミニッシュ・コードの使用
メロディの変更
コードの変更
ペダル・ポインド
テクニックの組み合わせ

Chapter 15 コルトレーン・チェンジ
Giant Stepsチェンジ
歴史的考察
CountdownとTune Up
スタンダードに対して演奏されるコルトレーン・チェンジ
短3度で動くトーナル・センター
McCoy TynerのロクリアンⅤコード

Chapter 16 3つのリハーモナイゼーション
John ColtraneによるSpring Is Hereのリハーモナイゼーション.
Kenny BarronによるSpring Is Hereのリハーモナイゼーション.
John ColtraneによるBody And Soulのリハーモナイゼーション.

Part 4 チューン

Chapter 17 ソング・フォームとコンポジション
ソング・フォームの判別
イントロ、インタールード、スペシャル・エンディング、シャウト・コーラス
インプロヴァイズによるセクションを含んだ曲
変更が許されないものはない
メロディがペースによって演奏される曲
ジャズ・コンポジションとソング・フォーム

Chapter 18 リード・シートの読み方
調号
メロディ
チェンジ

Chapter 20 ヘッド

Chapter 21 レパートリー

Chapter 22 サルサとラテン・ジャズ
ラテンミュージックとは何か?
クラーヴェ
隠れた小節線
歴史的考察

Chapter 23 未解決の問題
4つの俗説
ハーモニック・マイナー・スケール
ハーモニック・メジャー・スケー丿レ
4ノート・スケール
従来の理論の限界
間違った音
批評
書評

Chapter 24 リスニング

シークエンス半音ずらした演奏
トライトーンずらした演奏



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