Fly Me To The Moonコード演奏方法




「Fly Me To The Moon」(フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン)は1954年にBart Howardによって作曲され、1964年にFrank Sinatraがカバーしてヒットした曲でジャズのジャムセッションでは定番の曲となります。「Fly Me To The Moon」はボサノバでもよく演奏されるので4ビートと合わせてボサノバでも練習するとよいと思います。

コード進行

以下の譜面は「Fly Me To The Moon」のコード進行です。どのような構成でどのようなコードの分析が出来るかは次の章をご覧ください。

※25小節目からの進行は黒本では、Dm-D#dim-Em7-A7、青本ではDm7-G7-C-A7、Jazz fake bookではDm7-G7-Em7b5-A7b9、そしてReal bookではDm7-G7-Em7b5-A7、New real bookではDm7-G7-Em7-A7というような感じで少し違いがあるという事を覚えておいて下さい。

Fly Me To The Moon



コード進行とアナライズ

「Fly Me To The Moon」の曲のキーはCで構成はABAC で1番2番合わせて、計64小節ワンコーラスの曲です。ジャズスタンダード曲ではAABAワンコーラス32小節進行が多いので他の曲と比べると長い曲です。

最初の8小節はⅥm7-Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ、Ⅳ-Ⅶm7b5-Ⅲ7-Ⅵmと各メジャー、マイナーのドミナントモーションと非常に分かりやすい進行です。次に8小節もシンプルでⅡm-Ⅴ7-Ⅰが2回続いた後に、最初の8小節と同じ、Ⅵm7-Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ、Ⅳ-Ⅶm7b5-Ⅲ7-Ⅵmに戻ります。

CとEm7は同じ構成音、Em7b5-A7は次のDmへのドミナントモーションを想定していますが、重要な事は皆さんが伴奏している時の演奏です。ソロ演奏者がどのようなコード進行を想定して演奏しているのか、演奏前に確認するのもよいですし、あるいは1番で確認出来たら2番で反応して下さい。

ジャムセッションではアドリブ奏者が伴奏に合わせるという事はほとんどの場合ありません。アドリブ奏者がその場の演奏を先導し、伴奏者がそれに反応して音楽を作り上げます。※ちなみに今回のレッスンの譜面では25小節目からはDm7-G7-Em7-A7としました。

コード演奏方法

前提として今回のコード演奏レッスンはピアノとベースがいない編成での想定となりレッスンの譜面は「Fly Me To The Moon」の1番のコード進行のみ使用していますのでご了承ください。

ギターのコード演奏時には何となくコードを演奏しているだけではサウンドが濁ってしまいますので、どの弦から弾き始めてどの弦まで弾くかという事を明確に決めます。

これはギターという楽器特有のものだと思いますが、例えば弾き始めてのルート音は6弦か5弦かなので意識されやすいですが、コードの一番高い音はなんとなくで演奏されがちです。

一番高い音は目立つので常にコード演奏時にはトップノートをどの弦でコードの何度の音を演奏するかという事を考えるようにします。

それではここからレッスンの譜面の説明となります。スペースの関係上、譜面は8小節づつの演奏参考例となります。

1-8小節はトップノートを3弦の音に限定したパターンですが、4つ刻みでもボサノバでも十分使用出来ると思います。9-16小節はトップノートを2弦の音に限定したパターンで4つの音が出ているので音に厚みが出ます。(本来であれば16小節のE7(#9)の次はAm7の5度の音の2弦Eを含んだコードに進みますが17小節目からはトップノートを3弦の音に限定したパターンですのでご了承ください)

17-24小節はトップノートを(基本的に)3弦の音に限定したパターンですが2拍づつのコードを使用した演奏パターンです。そのまま4つ刻み伴奏もお勧めですし、ベース音を弾かずにコンピングも応用出来ると思います。

25-32小節は4つ刻み伴奏の1つの例です。
Fly Me To The Moonコード演奏1
いかがでしたしょうか。こういった練習をしているとガイドトーンが見えるようになってきますので、コード演奏プラス単音のアドリブ演奏にも役立ちます。是非演奏しながら弾いている音はコードの何度の音かという事も意識しながら練習してみて下さい。

もし機会があれば次回は「Fly Me To The Moon」のハーモナイズドベースラインや、ベースが居る想定にプラスしてピアノが居るパターンと居ないパターンのコード演奏レッスンも行いたいと思います。



「Fly Me To The Moon」の歌詞

「Fly Me To The Moon」 (作詞・作曲Bart Howard)

私を月まで連れて行って
沢山の星の中で遊ばせて
見せて欲しい どんな春なのか
木星と火星に訪れるのは
言い換えるならこの手を握って
言い換えるならキスをして
歌で私のハートを満たして
そして歌わせてずっといつまでも
貴方は私が待ち焦がれいた
賛美と敬愛の全て
言い換えるなら真実であって
言い換えるなら貴方を愛してる

Fly me to the moon
Let me play among the stars
Let me see what spring is like
On a-Jupiter and Mars
In other words: hold my hand
In other words: daring, kiss me
Fill my heart with song
And let me sing for ever more
You are all I long for
All I worship and adore
In other words: please, be true
In other words: I love you


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