[ジャズギター初心者向け] The Days of Wine and Rosesガイドトーンでアドリブ練習



「The Days of Wine and Roses」はHenry Manciniによって作曲(作詞:Johnny Mercer)された曲で、映画「The Days of Wine and Roses」の主題歌です。この映画は1962年に公開されたブレイク・エドワーズ監督のアメリカ映画です。

映画「The Days of Wine and Roses」の内容は、若い夫婦がアルコール中毒へ陥り、家庭が崩壊してゆくという悲惨な内容ですが、この主題歌の美しいメロディーが好まれ、多くのジャズミュージシャンたちに演奏されています。

「The Days of Wine and Roses」はジャズのジャムセッションでも「酒バラ」と呼ばれ大変人気な曲なのでジャズ学習者には必修の曲です。

コード進行とアナライズ

酒バラの曲構成はAB各16小節のワンコーラス32小節でキーはFです。まず2小節目ですが、Eb7をどのように解釈して演奏するかという事と、5小節目のGmから7小節目のBbmにどのように繋げるかというところがポイントかと思います。

同時にこれらのコードの箇所は酒バラらしいコード進行と言えると思います。13小節目のE-7b5/A7そして14小節目のD-ですが、本によってはそのまま1小節前にずらして、12小節目にE-7b5/A7そして13小節目にD-となっていることがあります。心配であればジャムセッションでは演奏前にメンバーに確認して下さい。

Days of Wine and Rosesはドミナントモーションはそれほど多くなく、バリバリと演奏するというよりは、ゆったりとメロディーを聴かせるようなアドリブ演奏をする曲だと思います。アドリブ演奏では例えばガイドトーンでコードをしっかり表現してこの曲ならではの雰囲気をだすのが良いと思います。

利用可能なスケールはI-アイオニアン/IIm7-ドリアン/IIIm7-フリジアン/IV-リディアン/V7-ミクソリディアン/VIm7-エオリアンVIIm7(b5)-ロクリアンスケールです。

一般的にはメジャーのドミナントモーション(Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ)のⅤではミクソリディアンスケール、オルタードスケール、そしてマイナーコードへの解決ではオルタードスケール、ハーモニックマイナーパーフェクトフィフスビロウ(HP5↓)が使用される事が多いです。
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ガイドトーンで練習

こちらの譜面は実は『ジャズギター初心者がアドリブ演奏する為の7つのポイント』「Days of Wine and Roses」のレッスン教材の一部ですが、例えばこの譜面のように3弦4弦を主に使用して各コードのガイドトーンを使用しながらアドリブ演奏を組み立てると演奏の流れがよくなります。

一度このレッスンの譜面通りに覚えたら、任意の箇所で音を伸ばしたり、短くしたり、崩して演奏したり、演奏を止めて休符にしたり、2-5-1のところにドミナントフレーズを挿入したり、ガイドトーンを頼りに自由に演奏してみて下さい。

私の酒バラの演奏動画はこういうガイドトーンなどの素材から発展させたものになります。参考までにご覧下さい。
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The Days of Wine and Rosesの歌詞

「Days of Wine and Roses」の歌詞ですが、夫婦そろってアルコール依存症になり家庭が崩壊してく悲惨な映画なのでもう少し暗い感じかと思いましたが、暗い印象はあまり感じられません。もう二度と戻らないと書かれた扉へと向かってというところが印象に残ります。

「Days of Wine and Roses」 (作曲:Henry Mancini / 作詞:Johnny Mercer)

酒とバラの日々は
遊んでる子供のように笑って走り去る
草原を通って閉じてるドアに向かって
前にはなかった『もう二度と戻らない』という言葉が
書かれている扉へと向かって・・・

孤独な夜は呼び起こす
ただの通りすがりのそよ風を呼び起こす
私を輝いてる微笑みの思い出に導いた
ワインとバラとあなたの日々

The days of wine and roses
Laugh and run away like a child at play

Through a meadowland toward a closing door
A door marked “nevermore” that wasn’t there before

The lonely night discloses
Just a passing breeze filled with memories

Of the golden smile that introduced me to
The days of wine and roses and you

The lonely night discloses
Just a passing breeze filled with memories

Of the golden smile that introduced me to
The days of wine and roses and you



お勧めアルバム

Jimmy Raney, Doug Raney 「Duets」


Jimmy RaneyとDoug Raneyの親子デュオの素晴らしいアルバムの酒バラ。アドリブ演奏、伴奏、全てが素晴らしく勉強になるようなアルバムです。ギターの音色とアルバムの雰囲気が良く、2人共にテクニカルな演奏ですがゆったりとした酒バラが聴けます。

Jimmy Raney(g)
Doug Raney(g)

収録曲:
1.Have You Met Miss Jones?
2.My One and Only Love
3.Action
4.Invitation
5.It Might as Well Be Spring
6.Days of Wine and Roses
7.Oleo
8.My Funny Valentine

 

Wes Montgomery 「Boss Guitar」


Wes Montgomeryによるバラードの酒バラです。コードによるテーマメロディは必聴でクリシェの使用が印象にのこります。アドリブ演奏に入るとWesのギターの暖かい音色で素晴らしい演奏が聴けます。ジャズギター学習者にはWes Montgomeryの「Boss Guitar」は酒バラだけでなくとも持っていたいアルバムです。

Wes Montgomery(g)
Melvin Rhyne(org)
Jimmy Cobb(ds)

収録曲:
1.Besame Mucho
2.Besame Mucho
3.Dearly Beloved
4.Days of Wine and Roses
5.The Trick Bag
6.Canadian Sunset
7.Fried Pies
8.Fried Pies
9.The Breeze and I
10.For Heaven’s Sake

 

Pat Martino「Exit」


Pat Martinoによる「Days of Wine and Roses」の演奏ですが、この曲自体バリバリ弾くという感じの曲ではないので、Pat Martinoがどのように酒バラを演奏するのか、興味深いものですがアドリブではPat Martino らしく16分音符ながらも、雰囲気はゆったりとした演奏が聴けます。

Pat Martino(g)
Gil Goldstein(p)
Richard Davis(b)
Jabali Billy Hart(ds)

収録曲:
1.Exit
2.Come Sunday
3.Three Base Hit
4.Days of Wine and Roses
5.Blue Bossa
6.I Remember Clifford

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Mark Turner 「In This World」


こちらはギタリストのアルバムではありません。こんな錚々たるメンバーで酒バラが聴ける?という様な、ある意味贅沢なアルバムですね。Brad Mehldauがトップでアドリブ演奏に入り、Mark Turnerに繋げるのですが共に凄すぎる演奏です。個人的にはKurt Rosenwinkelの演奏も酒バラで聴きたかったですが、すでに贅沢すぎる内容です。

Mark Turner(ts)
Brad Mehldau(p)
Kurt Rosenwinkel(g)
Larry Grenadier(b)
Brian Blade(ds)
Jorge Rossy(ds)収録曲:
1.Mesa
2.Lennie Groove
3.You Know I Care
4.The Long Road
5.Barcelona
6.In This World
7.Days of Wine and Roses
8.Bo Brussels
9.She Said, She Said



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