Donna Leeをギターで演奏




Donna Leeはスタンダード曲“Indiana”のコード進行を元に、チャーリー・パーカーによってアドリブ演奏のようなテーマメロディがつけられた曲で1947年にチャーリー・パーカー・クインテットによってレコーディングされました。

作曲者はCharlie ParkerではなくMiles Davisという説もあります。Miles Davis本人によると、「これが初めてレコーディングされた自分の曲で、レコードが出来たらCharlie Parkerの責任ではないが彼による作曲という事になっていた」との事でしたが、その真実は不明です。

この曲は大変難しいテーマメロディの曲ですが、ジャズのジャムセッションではよく演奏される人気の曲です。テーマメロディは典型的なビバップジャズのアドリブをそのままテーマにしたような感じで、演奏の多くはかなり速いテンポで演奏されます。

Donna Leeをギターで演奏
Donna Leeのテーマメロディはギタリストにとって数ヵ所ポジション的にかなり難しいところがありますが、挑戦しがいのある曲です。演奏出来るようになるまでは非常に時間が掛かりますし、たとえ覚えた後でもしばらく弾かないと演奏出来なくなってしまいます。

例えばDonna Leeが演奏出来るまでは遅いテンポでもよいので日々のトレーニングとして演奏し、覚えた後も定期的に演奏して技術をキープするといった感じになると思います。

指の筋力をキープさせる為にDonna Leeのテーマメロディを使用するという事は、日々の指のエクササイズとしてはよい素材だと思います。

その他としてはテーマメロディがビバップジャズのアドリブの典型ともいえるフレーズで出来ているので、そのメロディから発展させて自分のドミナントフレーズを作るというのはよいアイデアだと思います。

 

指板のポジションに関して
Donna Leeのテーマメロディをギターで演奏する場合は演奏者によって指の長さの違い、ワイドストレッチが可能かどうかによってもポジションが変わってくると思いますので、最終的には自分に適したポジションでどのように演奏するかを決定しなければなりません。

どういうことかというと指が開かない、あるいは指が長くない演奏者は素早くポジション移動するか、1弦3弦、2弦4弦など、弦を飛ばして弾く必要があります。

指を開いて弾く場合は人によっては左手のフィンガリングが難しく、素早くポジション移動する場合は移動が難しく、弦を飛ばす演奏はピッキングが難しくなるという事です。

ピッキングに関して、全てピッキングして演奏するか、もしくはギターという楽器の特性を生かしてハンマリングオンやプリングオフを取り入れて演奏する方法もあります。

こちらは通常サウンド的な好みで使用されますが、Donna Leeの場合は恐らく技術的な事とテンポの理由によって使用される事も考えられます。

曲の構成
Donna Leeの構成はABACの各8小節で、計32小節ワンコーラスの曲です。キーはAbでコード進行とコード進行のアナライズは以下の譜面の通りです。Donna Leeのコード進行に関してはよくあるジャズスタンダード曲のコード進行でテーマメロディのように複雑なものではありません。
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アルバム紹介

「Out Delight」


Chet Bakerはあまりテクニカルなトランペッターというイメージはないですが速いテンポでDonna Leeを演奏しています。参加しているギタリスト、René Thomasはベルギー出身のジャズギタリストで、ジミーレイニーのギター演奏が好きな方はお勧めします。Chet Baker、René Thomas共にテクニカルな演奏ではありませんが、個性的でクールな演奏が素晴らしい。

 

「Standards」


Bireli Lagreneのアルバム「Standards」でのDonna Leeですが、Bireli Lagreneの演奏は本当に凄いテクニックで圧倒されます。ほとんどの音は正確にピッキングされ、ブレがありません。ジャズらしいDonna Leeという意味ではOscar Petersonのアルバム「The Paris Concert」のJoe Passの演奏をお勧めしますが、テクニカルなギター演奏を聴きたい方はこちらをお勧めします。

 

「Rio Meets New Orleans: Live from Tokyo」


ギターのRomero LubamboとピアノのPeter Martinによるデュオアルバム。個人的には今回の紹介する中では(ギタリスト視点で)一番お勧めのDonna Leeとなります。いかにもジャズギターという雰囲気が好きな方にはお勧め出来ませんが、ブラジル音楽が好きな方にはお勧め出来るアルバムです。(脱線しますが、同アルバムでのRomero Lubambo のGiant Stepsも素晴らしいです)

 

「Live at the House of Tribes」


かなり速いテンポでDonna Leeが演奏されています。Wynton Marsalisのトランペットはいかにもジャズといった感じの雰囲気で、その上超絶テクニックの持ち主です。このアルバムでのDonna Leeは恐らくお客さんとの距離が近いのか演奏中のライブの臨場感も凄く、それも込みで楽しめます。

 

以上、ギタリスト視点でのDonna Leeの紹介はいかがでしたでしょうか。難曲ではありますが、この曲のテーマメロディを演奏してビバップジャズを楽しみ、そしていろいろなミュージシャンのDonna Leeも沢山聴いて楽しみましょう。

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上記”Donna Leeをギターで演奏”の項でもお伝えしたように、演奏者によって弾きやすさとポジションの違いによる音の好みが違うと思いますので、こちらのTab譜を参考に最終的には演奏者で自分なりのポジションを探してもらえれば幸いです。

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